著作権侵害の判断基準

標準

◆どのような場合に著作権侵害となるのか

文章、イラスト、写真、動画や音楽などの作品が真似されている場合であっても、そのすべてが著作権侵害となるわけではありません。

同じような作品が偶然に生まれることはままあるため、著作権侵害といえるためには、問題となる作品が他人の著作物を参考にして作られたことが必要となります。これが「依拠」の問題です。

また、問題となる作品が他人の著作物に「依拠」していたとしても、まったく別個の作品と評価できる場合には著作権侵害にはなりません。「類似性」が問題とされるゆえんです。

このように、著作権侵害となるのは、「依拠」と「類似性」がある場合ということになります。

◆依拠

「依拠」は、問題となる作品の作成者が既存の著作物を知っていたかどうか、それを自分の作品に利用する意思をもっていたかどうかといった心理状態の問題です。

そのため、「依拠」があることを直接立証することは容易ではなく、さまざまな周辺事情を積み重ねて立証してゆくことがほとんどです。

例えば、既存の著作物が著名な作品であったり、問題となる作品の作成者が既存の著作物に接する機会があったり、表現の誤りが共通していたりすれば、「依拠」が認められやすくなります。

◆類似性

問題となる作品が既存の著作物のごく一部を改変したものにすぎない場合には「類似性」があるといえますが、実際に問題となるのは、似ている部分とそうでない部分が渾然一体となっているような場合です。

「類似性」については、具体的な類似箇所を抜き出し、対比しながら立証してゆくことになりますが、どれほど似ていれば「類似性」が認められるのかという境界線ははっきりしておらず、裁判所によっても判断が分かれうるところです。

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